筆者がMBA留学を思い立った日(2)

前回からの続き。

アメリカMBA帰りの同僚の英語力と、彼のキャリアを考えてみても、どうも自分に不可能ではなさそうだと思い始めた自分は、ついに色々とリサーチを開始するに至った。

リサーチといってもネットで検索し、いろんなブログを読み漁るだけ。

しかし、MBAって楽天の三木谷社長のようなエリートしか行けないということはない、というのは確信した。

もちろん彼の行ったハーバードや、英国でいうならLBS(ロンドンビジネススクール)あたりのレベルはエリートしか行けない。

要するに、彼のようにメガバンクに勤めて外為部で出世街道を歩んでいるような経歴である。さらにいうなら彼は選ばれて社費である。まだまだMBA留学が一般的ではなかった時代に、そりゃハーバードとしても選り抜きの人材だと判断したわけである。

でも、そうしたトップ中のトップ校は現実的ではないわけで、例えば自分の同僚みたいにトップ校じゃなければどういう風にしたら入学できるのか、そしてトップ校じゃないと何が変わるのか、学費、などなどを調べていった。

そして確信したのである。

これは行くべきだな、と。

どのみち、日本は新卒でトップ企業への就職を逃すと、ほぼ会社のランクを上げることはできない。転職でキャリアアップするなら会社のレベルを落として自分のポジションをあげるくらいである。

ということは、今後の転職活動の人事がそこまで海外のビジネススクールに詳しく、トップ校じゃなきゃだめだなどということはありえない。おそらくMBAを取ってきたということである程度興味を持ってくれるだろうし(事実自分の会社はそうだったので、その同僚も採用されたのである)、そもそも超有名校以外はわからないのだとしたら、面接でさりげなくランキングのことでも言えばいいのである。

自分はFTランキング100位圏内に入っている、ということはそれなりに有効なのではないかと考えた。

そこでそのランキングの70以下くらいの学校であれば、そんなに難しくはなさそうだという印象だった。

しかも、欧州MBAの場合は、GMATのスコアはあまり重視されず、アメリカよりもそこのハードルは低い。その代わり、若手が多いアメリカに比べ、職歴が重視される。そのため年齢層も特に英国は高い。

すでに30歳を超えていた自分にはその方が好都合。GMATがそう重視されないのであれば行けるのではないか、という感じだった。

そして一番大きいのは経済的なことだった。

アメリカは2年制が多いが、英国は1年である。当然その分学費も、生活費も安く抑えられる。

しかも時は2011年、当時はものすごい円高だった。特にイギリスポンドに対して非常に円高で、1ポンド120円を切ることさえあった。

1ポンド250円の時代もあったのだから、そこからするとえらい違いである。

学費は学校によってまちまちだが、自分が狙うランキングの学校は、後述するがランキング対策でトップ校よりも学費が安く、3万ポンド以下の学校が多い。

この為替状況がずっと続くとは思えない。

行くなら今である。そして行ける。

こうして自分はMBAを思い立ってすぐに行動を開始し、その翌年の9月にはMBAに入学していたのである。

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