これに関して、私ははっきり言える。YESであると。
それは自分がそう思ってるからだ。自分の人生が良いか悪いか、それは私が決めることなのである。
私はこれが大きな収穫の一つだと思う。
自分のことに関して、自分の主観に絶対の自信を持ってもいいのだと。日本にいては、社会の中でどう自分は思われるのか、ということの方が重要だった。
私は今、日本の友人や知人と話していて、ここにすごく違和感を覚えるようになった。
しかし自分の人生が良いものか悪いものか、自分でスッキリ判断できるというのは、ある意味自由を手に入れたようなものだと思う。
留学前より、職業としてのステイタスは上がったのか。
これは、これを読んでいる方の価値判断的には微妙と言えるところかもしれない。
留学前は、漠然と「MBAは再就職しやすくするための専攻なので、もしMBAを取ったことで、日本の就活で少し年収が上がれば良い」という程度の目標を掲げていた。
というのも、元は「人生で一度くらいはヨーロッパに暮らす経験をしたいが、30代にもなってそんなブランクを空けると就職活動でつまずきそうだから、MBAならもっともらしいだろう」という程度の動機だったからである。
しかしMBAで起業家精神に溢れたクラスメートに揉まれるうち(実際は会社や国からの派遣が多いので、元の場所に戻る人が多かったのだが、少なくともMBAのコース中は起業するという気概で議論は進んでいるのだ)、それまでのような日本の職場に戻る気はしなくなった。
それまで自分は、日本の会社員というのは世界に類を見ない勤勉さで、資源の乏しい国ながらアジアでダントツに早く経済先進国になったのだと思っていた。
しかし、よくよく振り返れば、全く効率が悪い制度が常態化していて、自分は会社員として仕事に情熱的だったかと言えばそうではなく、ただただ査定を気にして上司に頑張っていると思わせるためのパフォーマンスをし続けてきたに過ぎないと思うようになったのだ。
実際、なぜサービス残業が常態化しているのか。安倍さんは全くわかってないようだが、これは日本人の「自分が属する中で、どう評価されるか」という、そこに集中した精神性がほとんどだ。
長くなったが、早い話が日本の企業文化に戻りたくなくなってしまった。
かと言って、UKに留まり職を得るというのはビザの関係上、不可能だった(わずかに可能な人もいるが、自分のキャリアでは無理)。
そこで、MBA時代にできた人脈をさらに広げて、今は欧州の別の国に対して取引をするビジネスを始めた。
ある程度初期投資も必要であり、収益化してきたのは最近なので、そういう意味では収入は増えていないし、今後も安定しているとは言い難い。
しかし自分で事業をやるということは、会社員時代とは比べようもない仕事への情熱と、自由を得られることだった。
これはMBAに留学していなければ至らなかった人生だと自分では思っている。
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