日本人がこのまま英語ができないと亡国する。

最近、とみにこう感じることが多くなった。

英語ができないと見える世界が全然違う、ということで、しかもそれは割と根本的なところだったりする。

日本は英語コンプレックスが強いので、英語ができることを軽視するというか揶揄するような雰囲気さえあるが、やはりこのままでは亡国するのではないかと思う今日この頃。

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英語はやはり、世界の共通語であるということ

自分がとある欧州の非英語圏の国で暮らしていた時、そこは首都ではあったが、実はそんなに人々の英語力は高くなく、むしろ日本で全然話せない!といっている人よりもお手上げなのではないか?という人も多かった。例えば25, twenty-fiveというのも通じない、というような人が結構いる。

日本だと、それはさすがに通じる人が多いのではないだろうか。

それでも、40代以下の大卒者となると、日本のそれと比べて急に英語力が高くなる。この辺りは系統が異なるものの、英語にはラテン語系の単語も多く(フランス語が元になっている単語は、ある一定以上のレベルの英単語に多くなる)、やはり日本語に比べると似ているので、普通のことではあると思う。

そういう状況なのだが、その国にあって、いろんな人が自分に対して英語で話しかけてきた。あまり英語が話せなさそうな人でも無理をしようとしたり、他に英語ができる同僚を連れてきたりする。

自分はその国の公用語を学校にまで通って結構勉強していたのだが、何しろ30代になって始めたので発音はかなり悪い。勉強しているのだから、話せそうなことは極力その言語で話そうとしたが、辛抱強く聴いてくれる人よりも、英語を(自分のその言語と大してレベルが変わらない人でも!)話し出す人が多くて、あまり気分がいいものではなかった。

しかし、日本人が白人や黒人を見ると英語、と思ってしまうのと同様、その国では実は我々のようなアジア人を見ると「英語を話さなくては」となってしまう人が多いのである。

時々日本でも、あまり英語が得意ではなく一生懸命日本語を勉強しながら日本に住んでいるロシア人や他の外国人が、「日本語で話してるのに、No English–とか言われて困惑する」と不満を漏らしていることがあるが、実はヨーロッパの非英語圏に暮らす日本人も同じような目に遭っているのである。

結局何が言いたいかというと、そんな風に我々も一歩外を出れば「英語を話す人々」として認識されがちなのである。

英語ができれば、日本をある程度客観的に見続けることはできる

正直いって、今の日本の状況は良くない。

最近は少し勢いも減ったと思うが、ひと頃は妙に「日本すごい」という番組を作り、外国人に日本の感想を求めて妙に盛ったような演出にして、あたかも日本が世界中から人気があり、尊敬されているかのような錯覚を覚えさせる風潮が強かったように思う。

そして結構多くの人がその番組を見て「日本すごい=日本人である自分が褒められているような気分になる」ことに陶酔していたのではないだろうか。

しかし実際は、日本がすごい時代はとうに終わっている。今でも識者は日本の隆盛期を記憶してくれており、それなりに評価もしてくれているが、一般層は忘れていて、日本への認識も低い。

そういったことは海外のメディアを見ているとある程度わかるし、BBCのようにやたらに日本のおかしなところばかりをネタにし、どちらかというと批判され気味であることもわかる。

しかし多くの日本人は日本のメディアしか見ていないので、情報が一元的になっているように感じる。

そして現政権の横暴ぶりも、国民が徐々にメディアによる情報操作に侵されているから、という気がしてならない。

全員できなくてもいいけど、大卒者の英語力が低すぎるのが問題

言語的に日本と比べると英語に大分近いようなヨーロッパ諸国でも、青果店の店員など全く英語が話せなかったり、twenty-fiveという数字を言うことすらできない人もいる。

そこからいくと、日本は特別英語ができない国ではなさそうだが、しかし問題なのは大卒者でさえも英語ができないのが普通というところである。

こうなると日本における情報網が日本語という世界で形成されてしまって、それ以上の域を出ない。

日本語と英語の違いは、上にも書いたように、日本という国の言語と、世界共通語としての言語であり、英語の情報というのはどこか一国の世界観に終始しているわけではないのである。

もちろん少数の英語ができる組が訳書という形で日本に世界の情報をもたらしているようだが、それはかなり選別されている。

正直いって、日本という国は国民の英語力に関して、現状のままの方が都合がいいのではないだろうか…?という気さえしている。

日本が本格的に衰退する前に、皆英語の媒体にどんどん向き合える英語力が必要だ、と真剣に考えているところだ。

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