MBAに留学する際、英語圏での学位を取ったことがなければ英語力の証明を求められる。
つまり留学生はIELTSやTOEFLなどで各ビジネススクールが指定する基準をクリアしなければならない。
自分は英国という国に絞って色んな学校の要項を調べたが、IELTSでは大体6.5~8.0が基準だった。
自分はIELTSで7.0(当時)が指定されているビジネススクールに入ったのだが、留学を思い立ってIELTSの勉強を始める前に、すでにTOEICでは900点台を超えていた。
換算表を見ると、TOEIC900点を超えているならIELTS7.0は取れそうだということで安心していたところ、
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こちらの本をやってみて、まるで歯が立たなかったので慌ててしまった覚えがある。
とりあえず短期間ではあったが、猛勉強の末、運良く基準をクリアしたのだが、世間一般で「すごい」などと言われているTOEIC900点をクリアしていても、TOEFLやIELTSはレベルがグンと上がるし、一般にMBAの入学基準を満たしている人は「TOEICごとき簡単」という人がほとんどであることは確かだ。
つまり日本においては十分「英語できる人」なのである。
ネイティブはもちろん、テストでは同水準であるはずの他国留学生に敵わない日本人留学生たち
元々英語圏で学位を取っている人や、帰国子女の人を除くと、日本で一生懸命英語を勉強して、自分もそうだが日本の会社で「それなりに」英語を業務で使っていたレベルの人たちでも、MBAに入ると自分の英語力の低さに愕然とする人が多いと思う。
しかも英国のMBAの場合、イギリス人学生はそんなに多くない。これは自分のビジネススクールだけではない傾向だ。どこも2割は超えないのではないかと思う。
イギリス人ではなくても、インドだったり、アフリカの旧イギリス領諸国だったり、「学校教育は英語で受けて来た、ほぼネイティブ」という人も多いのだが、彼らに負けるのは仕方ないとしても、台湾とかタイとか、同じように英語圏ではない国から来て、IELTSのスコアも同じ、彼らも頑張って準備してテストを受けた、というような感じなのに実際の英語運用力は日本人は一番低い。
中南米や、ヨーロッパ非英語圏(ヨーロッパでも必ずしも英語力が日本より高いわけではない。イタリアなどは基本的な英語もさっぱりな人は多い)から来てる人たちなどは、テストが同じスコアなら実際の運用能力は全くレベル違いだと言える。
日本人は「和の文化」による礼儀が叩き込まれすぎて会話の反射神経が鍛えられていない
これが、自分の実感である。
もちろん、日本語は文法的に語順が英語と逆であるとか、言語概念が違うとか、いろんな要素もあるのだが、そもそも日本人は「話す」という時のメンタリティがヨーロッパ言語圏の人はもちろん、アジアの人たちと比べても特殊なのである。
具体的には、日本人は「順番に話しなさい」とか「人が話してる時は聴く」とか、そうしたマナーが徹底されている。
一方で、こうしたマナーに守られすぎていて、日本人は「会話の生存競争」をしなくても、相手から意見を聞いてもらえたり、黙っていても蔑ろにされることもなく、むしろ「あの人は会議中に出しゃばって何かいうこともないけど、やることはちゃんとやっているね」などと高評価を得たりする。しかも「間違っているかもしれないことを言うのは恥ずかしい」とか「大したことでもないのにわざわざ発言したりしているとバカにされる」などの考えもある。
はっきり言うと、この価値観は日本でしか通用しない。いや、広い世の中、もしかすると他にも似た国がないとも言い切れないけれど、少なくとも世界の主流からは大きくそれている。
MBAでも、どこでも、しっかり話していけない人は置いていかれるし、話さない方がバカにされる。自分の知っていることはどんどん主張しなければ「知らないのだろう」と侮られる。
日本人からすると子供っぽいのだが、もうこれは日本が特殊な文化にあると言っていいだろう。
私は、英語を話すということは、英語のメンタリティも持って話すことだと考えている。
メンタリティも含めた”英会話”の向上にはマンツーマンよりも多国籍のグループレッスンが有効
実は、まだMBA留学を思い立つだいぶ前の話ではあるが、自分が総合的な英語力を高めるのに非常に役立ったと思えるサービスがあった。
それは、今では日本でのサイトもなくなり、英語サイトから申し込もうにもサービス内容が変わってしまったGlobalEnglishというオンライン英語学習サービスだった。
自分は会社の福利厚生の一貫でその存在を知り、始めたのだが、これなくして今の自分はなかったと思っている。
まず、当時、このサイトは毎時いろんな国から講師がクラスを開き、生徒がクラスを受講できるようにしていたのだが、なんと受講制限がなかった。
とは言っても、beginner, intermediate, advancedと順番に開講される形なので(もし著しくレベル違いだと講師からこのクラスではない、と指摘されていた)自分のレベルだと3時間ごとに開講されているという形だったので、現実的には平日には1日1回、休日でも2回といったところだろうか。
それが急に週に1度しか受講できなくなり、途中から自費で続けていた自分はやめてしまったのだが、1年ほど、ほぼ毎日いろんな国からの生徒が集まるグループレッスンを受けることができていたあの時代がなければ、しつこいが今の自分はなかった。
途中からはマンツーマンレッスンも並行してやっていたのだが、グループレッスンを通して「他国の生徒の強引さ、そこにどうやって自分も入っていくか」などを学べていたし、何しろそういう中に入っていくという疑似体験ができたと思う。
今でもそうなのだが、現実世界でも1対1というのは、グループの中で話していくよりかなり易しい。
相手は自分に集中して聴いてくれるし、自分が話していてもこちらが理解しているかを気にしてくれるわけである。しかし、グループとなるとそうはいかなくなる。
「そうはいっても、ネイティブじゃない人の英語を聴いてるのは無駄だ」と思うかもしれないが、英語を話すというのはネイティブと話すだけではない。
別にMBA留学など考えていなくても、国際語として話せるようになりたいならば、いろんな国の人とグループで話して、彼らの話し方、話すタイミング、内容(日本人の心のブロック、完成度の高いことでないと話してはいけない、というのがなくなるだろう)などを観察し、自分の反射神経を鍛えていくには、そうしたグループレッスンはかなり有効だと思う。
また、人前で英語を話すということへの心理的抵抗が明らかに減っていく。
自分がやっていたGlobalEnglishでは、もう毎日受けるということができなくなっているのだが、
24時間オンライン英会話スクール EFイングリッシュライブ
というのは、月に30回受講でき、生徒も多国籍なので、自分が当時GlobalEnglishで受けていた内容にほぼ近いように思う。
そしてもう一つ、自分が良かったと思っているのが、マンツーマンレッスンよりも気軽に参加できていた、ということだった。英語そのもの、語彙とか文法、発音をしっかり習うのはマンツーマンレッスンの効果の方がずっと高いのはいうまでもないのだが、その分、予習だったり、心の準備だったり、予約するにもそれなりの心理的負担があるので、少しやる気がない時期はずっとサボる、ということもあった。
そんな中でも、グループレッスンは「とりあえず今日も参加だけしとこうか」という感じでも気軽に受講できるので、1年ほぼ続けられたというメリットがあった。
是非、マンツーマンと並行してグループレッスンもオススメしたい。
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