よく、「英語話せますか」って質問があって、質問している方はかなり気軽な質問なのだけど、答える方は結構答えに窮するものだったりする。
「話せるってどういうレベル?」とは、昔から聞き返していたことだった。そうすると返ってくるのが「日常会話とかはできる、って感じですか?」というのが多いパターン。
これもまた、非常に答えにくい。人によって「日常会話」の定義は異なる。
今回はこの「英語レベル」について考えてみたい。
レベル1〜2:英語が全然話せない、というレベルから旅行英会話まで持っていくのはすぐに達する
旅行英会話というのは、機内で客室乗務員にこちらから話しかけて用事を頼んだり、入国審査の質疑応答ができたり、道を尋ねたり、ホテルでのチェックインも普通にできる。買い物で探しているものを尋ねたり、接客に普通に応答できる。
このレベルは英語が全然話せない、というところから始めても、中学レベルの英文の基礎を叩き込んでしまえば、発音のいい悪いは別として、毎日勉強するなら数ヶ月で達成できると思う。このあたりがレベル1だ。
しかし、それよりちょっと難しくなるのが、
機内アナウンスや空港でのアナウンスの内容を理解でき、現地のバスツアーなどに参加してドライバーの言ってることを聴き取れたりする。そういったアナウンスに対して、色々問い合わせをする。
というところではないだろうか。
というのも、実はスピーキングは事前に言うべき英文を用意していれば言えるし、そうした自分の質問に対しての返答が予測可能な範囲であれば対応可能なのだが、アナウンスというのは絶対的な聴き取り能力が必要だ。
そのため、自分の実感としては、ここのレベルにはTOEICでいうと700点くらいの英語力(もっというならリスニングパートで360点)は必要だと思う。
もちろん、すぐに到達できるものではないが、地道に勉強を続けていれば誰でもそこまではいくのではないかと思う。
この辺りは、ただ単にTOEICでスコアを上げるための勉強じゃなくて、TOEIC英語をモノにするくらいの感じで勉強すると効果があると思う。
例えば、Part3や4の聴き込み、これはかなり実践的。
ただ、本当に英語ができない人にとって、実は一番キツイのはこの段階かもしれない。自分も他のヨーロッパ言語をほとんど一からの状態で勉強して、全く最初の部分までは好奇心で乗り切れたが、ある程度のレベルになってくるとしんどさが増した。
語学というのは中級に入るくらいまで、内容もつまらなく簡単すぎ、大人にとってはやりがいも感じない。
このモチベーションをいかに保つかが非常に難しい。
少々お金がかかるが、確実にある程度のレベルまで短期間で面倒を見てくれるRIZAP イングリッシュなどを利用するのも手だと思う。
レベル4:仕事で事務的なやりとりができる
レベル3を飛ばして4。やはりこれは段違いだと思う。旅行客としての英語と違って、仕事となるとブロークン過ぎる英語は受け入れられないのはもちろん、会話の範囲もかなり広がる。
電話がかかってきて想定内のやりとりでいつも済むわけでもない。とっさの質問や呼びかけに対して臨機応変に答えていく範囲も多くなる。
この事務的なやりとり、というのがまさにTOEICの範囲で、これはTOEIC870~、ただしこれだけのスコアが取れているだけではできるかどうかは言い切れない。TOEICは所詮、リーディングとリスニングのスキルだけであるので、そのレベルで、かつレスポンス可能でなければならない。
これも難しい範囲ではあるが、多くの人が目指しているところで、TOEICのような勉強に加えてオンライン英会話などを使って自然に英語で返答ができる「英語反射神経」の養成が必要だろう。
カランメソッドで定型文の即答練習を重ねて、徐々にアドリブで話せるようにするのが効果的だろう。
超英会話習得法「DMEメソッド」
また、短期で成果が欲しい場合に、徹底的にマネジメントして欲しいなら、成果コミット型、短期集中英会話トレーニング【ALUGO】などもおすすめ。
レベル7:英語圏の大学や大学院、もしくは英語圏の職場で議論に参加し、存在感を持つ
これはいきなりのレベル7。上の事務的なやりとりとは段違いなのだ。
ただし、単純に大学や大学院(トップスクールを除き、そこそこレベルだとして)でどうにか生存する程度ならばレベル5~6。TOEICなら余裕で900点台で、当然それよりずっと語彙レベルが高くハイレベルなTOEFLやIELTSといった試験で要求基準に満たして入学できたレベル。
自分はこのレベルで入ったわけだが、多くの日本人もそんなレベルであることが多い。
その程度だと、講義を資料を見ながら、そして予習の上でどうにか概要を把握しながら聴けるくらいで、到底英語ネイティブやインド人のように教授の問いかけにボンボン意見を述べたり、学生同士で議論が始まって、そこに交わるということは難しい。
中に気の利いた人がいる時のみ、意見を聞いてもらえてなんとか答える程度。ほとんどの時間は石ころのように押し黙り、彼らの議論の内容を把握して、意見を聞かれたらこう言おう…などと考えているのみだ。
気の利いた人はいないことが多いので、ほとんど無視されて終わる。英語圏、そしてその後に住んだ欧州某国でもそうだが、自分から意見を言わないのは何も考えてないからだと思われるだけである。
これはもうひたすら会話の入り方を学ぶしかない。
レベル2~10:日常会話
ここのレベルを2から10と広く取ったのには、人によって日常会話の内容や、認識は大きく異なるからだ。
例えば、買い物に出かけて店員に欲しいものを伝えるとか、「どの国から来たのか」とか、今日の天気は暑いと思うか寒いと思うか、日本と比べてどうか、とか、そのレベルであれば非常に簡単で、容易に到達可能。
これは子供の年齢が低いほど、英語圏に暮らして現地の幼稚園や学校にやると英語に馴染みやすいと言われていることからもわかる。
そもそも子供の会話の範囲は限られているし、そもそも元の言語(日本語)での概念レベルも低いので、追いつくのが早いのである。(もちろん耳が良いなどの理由もあるが)
しかしあなたの日本語での日常会話を考えてみて欲しい。
人によっては「ハンバーグ食べたいね」「暑いね」くらいしか会話してないかもしれないが、多くの成人はもっと複雑なことを話しているものではないだろうか?
たとえ内容としてはくだらなくても、芸能人のゴシップだとしても、日本語と同じようなテンポで英語で話していけるだろうか。流行りの食べ物を知らない人に、その味や見た目の詳細を伝えることができるだろうか。
こうなると日常会話は、レベル4の事務的なやりとりよりも範囲が大きく広がるし、相手の返答の範囲も広がり、予測は難しくなってくる。
そういう意味で、日常会話というのは人によっては非常に高い語学力を要することである。
自分の場合、日本語でいつも話している感じを10とすると、英語では内容によるが6〜8くらいでしか伝えきれていない消化不良感を常に抱えている。
また、合いの手だったり、相手への反応がまだまだ野暮ったく、うまくできていないという感じがある。
このレベルに達するには、ドラマや映画を「見てわかる」程度ではなく、その中に出てくる表現などを自分のものにしていかないとならないだろう。
自分もまだまだその域に達していない。
レベル5〜6に達するのに役立つのは
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