留学先の地域の訛りは、気にする必要がない。

よく、留学するなら主流とされているアクセントの地域に行きたいとこだわる人がいる。

アメリカなら南部だと心配だとか、英国だとスコットランドやイングランドでも訛りの強い地域は困るとか、オーストラリアやニュージーランドの訛りは(アメリカ英語に馴染みのある日本人からすると)主流でないから嫌だとか。

そういう意見をよく聞くことがある。

しかし結論から言えば、これは殆ど気にするだけ無駄である。

MBAに限らず、もしくは正規留学に限らず、いやむしろ語学留学でもほぼ関係ないと思うところを今回は述べよう。

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心配しなくても、そんなにローカルの人の癖が移るほど話す機会はない

MBA留学後、ヨーロッパのとある国に住んでいた時のことだ。

自分は現地語を学ぼうと、仕事の都合をつけて夜間の語学学校に通っていた。その時のクラスメートの中に、イギリス人がいた。

語学学校のカリキュラムでは、自分の経験を交えて、課題に沿ってあれこれ意見を述べることがよくある。そのため早い段階で自分がイングランドで学んでいたことや、その都市名を明かすことがあった。

すると休み時間に、ふいに彼が英語で話しかけてきたので英語で答えると、「==(住んでいた都市)の訛りじゃないね」と笑いながら言ってきた。

というのも、英国にはかなり多くの訛りが存在するのだが、自分がいた都市は大別される訛りの地方の一つだったので、この日本人がその訛りで話すかどうか好奇心があったという。

そこでつくづく思い返してみたのだが、その年に滞在していた1年半ほどの間、地元の人とどれだけ話しただろうかと考えてみた。

確かに住んでいたフラット(いわゆるドームと呼ばれる学生専用の住居)の管理人のおばさんの訛りは激しく、時々聴き取れずに苦慮することがあった。

あのおばさんはあそこの訛りで話していたと思う。

また、英国人クラスメートの1人も地元出身で、彼の訛りには自分だけではなくカナダ人のクラスメートも時々わからない、と言っていた。

しかしそれ以外では殆ど話す機会はなかったと思う。スーパーや大学構内の食堂の店員には地元の人が多かったと思うし、特に食堂のおばさんの言ってることがわからないこともあったが、所詮何秒間かの会話である。しかもほとんどは挨拶くらいである。

教授はもちろん、事務員なども含めて大学で話す英国人というのは、英国各地の出身であることが多く、クラスメートもそうである。

教授は特に、Reserved Pronunciationというスタンダードな英語で話すことが求められているので、非常にクリアな英語である。

事務員も心掛けているように感じた。

そして留学生というものは、実は結構留学生同士での会話が最も多い

よって、どこの地域に留学しようが、そこの訛りが移るほど、バリバリの地元民と話す機会はないのが実際のところである。

そもそも、一定の年齢を超えたら相当意識して「練習」しないと特定のアクセントは身につかない

幼児〜小学生の時に現地校に入る形なら地元の訛りの影響はモロに受けると思うが、留学生というからには高校生以上であると思う。

高校生の場合は、まだ現地校に通っているなら、多少順応性も高くなると思うが、それでも、その年齢からでは、そもそも日本語のイントネーションの影響を英語に引き摺らないところから始めなくてはならず、大変である。

大体、東京に生まれ育って高校から大阪に転校して、1年で大阪の訛りになるかどうかを考えて欲しい。

「あかん」とか「してへん」とか、そのへんの大阪弁は字面通り言えるようになるかもしれないが、訛りとかイントネーションの点では、まだ不自然なことが多いのではないだろうか。

既に母語としてできあがっている日本語の中で東京と大阪という中でもそうなのに、英語という言語を追うのが精一杯の段階で、訛りまで影響を受けるところまでは到底行かないはずである。

ましてMBA留学をするような30歳前後の年齢で現地の訛りが自分にうつるなんて、ほぼない

少なくとも周囲の日本人の多くは、日本人とわかる(巷で言われるようなカタカナではなく、発音自体はきちんとできるとしても)英語のまま帰国している。楽天の三木谷社長の英語を聴いたことがある人は多いと思うが、きちんと通じる英語ではあるが、アメリカネイティブの英語では全くない。

それが普通である。

訛りは、特定の人の話し方を繰り返し聴くことで影響を受ける

これは最初の項目に近いが、その地域にいて、仮に周囲が全て地元の人だとしても、不特定多数の人と挨拶と10秒程度の会話をしているだけでは、共通の挨拶の訛りだけはうつるかもしれないが、全体的な会話としては影響を受けようがないだろう。

というのも地域の訛りというのは、ある程度大きな共通項であって、実は個人の訛りとか癖というものがあるからである。

芸能人の真似とか、中高生の頃は特定教師の真似とか、することがあるが、それはその芸能人の癖を何度も真似ようと見返したり、教師の場合は毎日のように話を聴くから可能だと思う。

そこからいって、関西弁を話す親の子供が関西弁を話すようになるのは、親の訛りを四六時中聴いてるからである。

小学生の子供が東京から関西に引っ越して関西弁になっていくのは、担任教師や、いつも遊ぶ特定の友達の影響なのだ。

つまり、そこまで親密な地元の人がいない限り、不特定多数の人と少しずつ話す程度では訛りはうつったりしない

MBA留学でいえば、留学生活の中で一番繰り返し英語を長く聴くことになる人たちというのは、lecturer陣になるだろうと思う。

彼らは別に地元の出身とは限らないし(そうであることの方が少ないだろう)、基本的にはReserved Pronunciation(理想とされている標準的な英語)で講義をしている。

自分は英語においては長期の語学留学をしたことがないが、大学の時にニューヨークで夏期の語学研修に参加した時には、確か4人の講師から習ったが、1人として生まれも育ちもニューヨークという人はいなかったし、うち1人はポーランドから移民してきて、TESOLの資格を取ったという人だった(しかしもちろん標準的な英語だったと思う)。

また別のヨーロッパ言語の語学学校に通っていた時も、その都市の出身の講師という人はおらず、それどころか移民系の講師も結構いた。語学学校の場合は、講師の影響が最も大きいと思うが、そのように1人の講師にずっと習うわけでもない。

 

以上、訛りを気にして留学先を決めることは割と無意味であると思う理由である。

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↑ネイティブ講師のレッスンを比較的安価に受けることができるのでお勧め。

ちなみに自分の場合は、英国に留学していたにもかかわらず、「アメリカ英語の影響があるね」と何人かの英国人に指摘されるのだが(これは日本がアメリカ英語をスタンダードとしているので)

ダウントンアビーを繰り返し見た後は、あるヨーロピアンに「君、日本人なのにちょっと気取ったアクセントの英語話すね」と指摘されたことがある。

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